構造設計事務所とは

構造設計事務所とは主に建築物の構造設計、構造計算、構造解析や耐震診断・補強設計を専門に行っている建築設計事務所のことを指します。簡単にまとめると地震や積雪等により建築物が倒壊しないように防ぐのが構造設計事務所の業務内容になります。

構造設計事務所は代表が構造設計一級建築士の有資格者であることがほとんどです。構造設計一級建築士事務所は平成31年度4月1日現在で9,986名(日本建築士会連合会)しかおらず、かなり珍しい資格となっております。

平成18年12月改正建築士法により、構造設計一級建築士制度が創設されました。この資格で取得していると一級建築士よりも高度な業務取り扱うことができるようになります。

この資格は難易度が高く、一級建築士として5年以上構造設計業務に従事した後に国土交通大臣の登録機関で講習を受講し、修了考査に合格することで資格を取得することができます。

構造設計とは

建築設計は大きく3つに分けることが出来ます。意匠設計、構造設計、設備設計です。この3つの分野が協力することで建築設計が行われます。

「意匠設計」

敷地の条件やその土地の気候や環境、施主の要望、建築基準法等の法的部分などを考慮して建築物の配置や内外観のデザイン、間取りなどを決めるのが仕事です。一般的に建築設計というと意匠設計の業務が当てはまります。

「設備設計」

快適に室内で過ごすための空調設備、上下水道など水に関わる衛生設備、電気に関する照明やコンセントなどの電気設備の設計業務を行います。

「構造設計」

建物の土台となる骨組み部分を設計することです。耐震基準を満たすように柱や梁の性能や形状、配置等を検討し、設計する業務になります。

Wikipediaでは下記のように記載されています。

建築構造設計とは、基礎伏図、構造計算書その他の建築物の構造に関する設計図書で、国土交通省令で定めるものの設計をいう。建築物が自重、積載荷重、地震、風、積雪、その他の外力によって倒壊することの無いよう、設計を行う分野。意匠担当者と協同の上で、設計物件が構造上必要な耐力を備えるよう構造計画を立てたり、実際に構造計算を行い検証する立場であるが、超高層ビルや体育館など大規模な空間を要する建築物や、複雑な形状の建築物においては、全体の設計に支配的となることもある。

構造設計の主な業務

「構造計画」

建築物を支える柱、梁、壁、床などの構造部材を地盤や外力などの諸条件を考慮、想定してどのように配置するか選定、計画する業務です。具体的には構造種別・架構形式をどうするか、基礎形式をどうするかなどです。

「構造計算」

建築物の構造部分にかかる自重、地震、強風などの加重によって発生する応力や変形を計算する業務です。建築基準法では「許容応力度計算」「限界耐力計算」「超高層建築物の構造計算」のいずれかで構造計算を行うよう定められています。

「構造図」

建築物の構造部材を表した図面です。柱や梁などの部材や接合部の形式など、実際の建物を建てるための情報が書かれています。構造図は、標準図・伏せ図・軸組図・詳細図から構成されています。具体的には基礎の鉄筋やコンクリートの指示、柱・梁・壁・床の部材や寸法、構図、継ぎ手の方法、施工手順、柱や梁の配置図などが詳細に記されています。

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